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Colums コラム

2015年12月14日

【リーダーの発揮すべき影響力 5】

リーダーが発揮すべき影響力の源は、「専門性」「人間性」「返報性」「一貫性」「厳格性」の5つ。

今回は、「厳格性」です。

人は、恐れを抱いている人物には素直に従う傾向があります。しかし、恐怖政治ではなく、信賞必罰を迷いなく実行できる「怖さ」と「厳しさ」を持って、人に影響を及ぼすことを意味します。
信賞必罰とは、賞罰を厳格に行うこと。賞すべき功績のある者には必ず賞を与え、罪を犯し、罰すべき者は必ず罰するという意味。
「信賞」は間違いなく賞を与えること。「必罰」は罪ある者は必ず罰すること。とあります。

最近、多くの企業において、この厳格性を持っているリーダーが減ってきているという印象を持ちます。
信賞必罰には、大きな愛と成長への願いが根本的なベースにあるということが基本です。
メンバーの成長のために厳格性と愛を持って、叱らなければいけないところで叱るリーダーが少なくなっているのではないでしょうか。

ただし、この厳格性は使い方に注意が必要です。
以下のような条件が満たされた時、厳格性はほかの4つの源泉より、圧倒的な影響力になってしまうことがあります。

・メンバーの力量が低いこと、経験が浅いこと
・メンバーの自立心、プロ意識が低いこと
・リーダー自身が自分に対して厳しすぎること

このような条件下においては、リーダーが厳格性をむやみに発揮すると、「パワーハラスメント」につながる恐れがあります。
そうならないように、リーダー自身が十分に気をつけることが大切です。

リーダーの影響力を発揮することについて5回にわたってお伝えしてきました。
これは、メンバーの特性によっても、影響力の発揮の仕方を変える必要があります。
職場のメンバーや状況が変わるごとに、どの影響力の源が有効なのかを考え、自分に不足している影響力の源を磨くことは永遠です。
リーダーシップを発揮すること=影響力を発揮することだと考えると、リーダーは「専門性」「人間性」「返報性」「一貫性」「厳格性」のうち、いくつかを持たなければなりません。
どの影響力の源が強いのかは、個人差があっても良いと思います。
さらに、あなたが、一流のリーダーを目指すのであれば、これらすべての影響力の源を身に付けなくてはなりません。
そのためには、自分に備わっている影響力の強弱を分析して、自分に不足している影響力を磨いていく必要があります。

メンバーにとって「すごい」と思える能力や経験を持っているリーダーが、「すてき」な人間的魅力に満ちて、「ありがたい」と思えるほど親身で、どんな時でも「ブレない」一貫性によって、状況によっては「厳しい」と感じるような態度で接する。
このようなリーダーは組織において、必ず強い影響力を発揮します。
そして、各メンバーが持つエネルギーを最大限に引き出し、その結果として大きな成果を生み出すのです。