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Colums コラム

2017年03月06日

【 リーダーシップを使い分ける 】

何度かお伝えしてきましたが、チームを率いる人物として最近取り上げられるタイプは「ビジョン型」と呼ばれます。
従来型のカリスマ型リーダー像は自分の命令1つ1つが実行部隊である社員やチームのメンバーによって、
正確に実行されているかをチェックしていました。
しかしこれだけではチームのパフォーマンスはほとんどリーダーの実力に左右されてしまい、
リーダーがフォローできない世の中の流れに取り残されてしまいます。
近年のスピード重視のビジネスシーンにおいては、カリスマ型一辺倒のリーダーではチームのハイパフォーマンスは維持できないのです。

そこで必要とされるのがビジョン型のリーダーです。
彼らは自分の仕事は「ビジョンを作り、伝える」ことであり、それ以外のことは優秀なメンバーに委任します。
これにより自律的に行動するチームができあがり、速度を増していくビジネスの変化に食らいつくことができるのです。
もちろん非常事態が発生すれば強烈なカリスマ型リーダーシップが必要になる場合もあります。
即断即決!即行動。と、ぐいぐい指示命令で目の前の事を打開していく事も必要な場合もあるのです。

理想のリーダーとはこの両面を併せ持った人物、つまり平時はビジョンを示し、伝えるだけで、あとはチームに委任する一方、
非常時には沈着冷静かつ力強くチームを引っ張るスキルを持っている人物なのではないかと思うのです。

ビジョンを作り、伝える
ビジョン型リーダーの仕事である「ビジョンを作り、伝える」とは、メンバーの「働く理由」「働く目的」を作ってあげることです。
働いている人全てがそれぞれの働く理由や目的を持っているわけではありません。
むしろ「ただなんとなく働いている」という人がほとんどでしょう。しかしそのような人たちも、理由や目的ができれば自律的に動き、組織の重要な人物になっていきます。このきっかけを作るのがビジョン型リーダーの最大の仕事です。

しかしリーダーを務める人の中には「雇われ仕事なんだし、自分のビジョンなんか持っても仕方ない」と思う人もいるはずです。
実際リーダーを務める人の多くは、起業家でもない限りオリジナルのビジョンを持っている人は少ないでしょう。
そういう場合はそれ相応のビジョンの作り方、伝え方があります。

例えば営業部長直轄のプロジェクトチームのリーダーに抜擢された場合、
チームのビジョンとなるのは「部長のビジョン」「会社のビジョン」です。
この際にリーダーがするべきは「組織の哲学の翻訳」です。

チームに浸透していない企業理念などを自分なりに噛み砕いて、浸透させていく。
それがこの場合のビジョン型リーダーの仕事となります。
実力派の上司の後釜としてリーダーを引き継がれた場合などは、既存のチームの土壌を踏まえた上で、新しい軸を打ち出していくのが仕事です。
状況に応じて何がビジョンなのかは変わりますが、「ビジョンを作り、伝える」点はどんな状況でも変わりません。