基礎からお伝えしてきたストーリーテリングですが、ビジネスにおいては、
基本的にはマーケティングに関するあらゆる場面でストーリーを流用しています。
例えば次のようなシーンです。
ビジネスでストーリーを披露するシーン
・ホームページ
・LP
・キャッチコピー
・セールスレター(メール含む)
・提案書
・営業のセールストーク
・セミナー etc
もう一つの文脈として、従業員や採用候補者にストーリーを披露するケースもあるでしょう。
商品を買ってもらうのではなく、仲間に加わってもらうためのストーリーです。
しかし、ビジネスストーリーの狙いはもちろん売上アップです。
具体的には次の3つの効果を期待しています。
○興味関心:それまで興味がなかった商品を、ストーリーを聞いたことで興味を持つ
○競合優位:競合他社と比較されたとき、ストーリーを理由に選んでもらう。
あるいはストーリーを理由に他社への流出を防ぐ
○口コミ:顧客にストーリーを他人に話してもらう
この中でもっとも意識したいのが、3つ目の口コミですね。
1人の人が買ってくれれば「1」ですが、広めてくれれば「10」にも「100」にもなるからです。
最近のマーケティングのゴールは、「購入」ではなく「他者への推奨」にシフトしています。
ストーリーは究極的には、「顧客が自分から他人に話したくなるストーリー」を目指さなければなりません。
ビジネスでは常にコレを意識します。
ところが、一切メッセージを伴わずに開発した魅力のない商品に対し、
後からストーリーを付加して魅力を増そうとする過ちが良くおこっています。
例えば、あなたがお金儲けのためだけに、そのとき流行っていたアパレルブランドの模造品を作ったとしましょう。
その模造品に、顧客の心に響くストーリーを後付けすることはできません。
ストーリーは、ガラクタを包むキレイな包装紙ではないのですが、
多くの人がコレに近いことをやろうとしています。
ストーリーはもっと上流から始まります。
商品コンセプトはもちろんのこと、その企業の理念にまで立ち返って作るものです。
わかりにくいと思うので、このあたりを順を追って解説していきます。