人が育つ職場風土を作っていくためにどのような働きかけが必要か、その4。
今回は、「職場という「場」の見方と焦点の当て方」です。
職場は、組織図に整然と示されるような硬直的なものではありません。
職場は壁で仕切られた箱や入れ物でもありません。
その場で活動する「人」も、単にその場に集まり、
仕事の完遂のために能力と時間を切り売りしているわけではありません。
職場の固定的な役割や機能、業務の内容、メンバーの能力にとらわれて職場を見ているだけでは、
変化し続ける現実の中で対応することは難しいのです。
職場は時間と空間の広がりをもつ「場」であり、常に流動的で変化し続けています。
そこに集まる「人」は相互に作用しながら、そのエネルギーを交換しながら関係しあっています。
職場における人と人との相互作用によって、
エネルギーが発揮される場合もあれば、相殺される場合もある。
人の組み合わせや仕事の与え方、
情報のやりとりの仕方といった日常のマネジメント行動も、
こうしたエネルギーの発揮に影響を及ぼす要因となります。
職場における人材育成の施策を検討する際には、
「職場風土」を形成する「人と職場」「人と人」「人と仕事」など、
それぞれの「あいだ」や「関係・つながり」に目を向けていきたいものです。
「あいだ」や「関係・つながり」をより活性化させたり、
より機能させたりするにはどうしたらよいのかを検討することが重要なのです。