マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか。
来月、これをテーマにした講演依頼をいただき、
企業の人事の方々へお話しさせていただくことになりました。
その流れで、今月は、このテーマで、お届けしたいと思います。
マインドフルネスとは、直訳するとマインド(=心)がフル(=満たされている)状態のことで、
「今、ここに全身全霊意識を向ける」考えをベースとした「瞑想法」として知られています。
これが、物事において最高のパフォーマンスを引き出す手段として高く評価されており、
2000年以降、Googleやインテル、ゴールマンサックスなどで研修に取り入れられています。
同様の瞑想は故スティーブ・ジョブス氏やビル・ゲイツ氏、イチロー選手なども実践しているといわれ、
シリコンバレーやウォール街のエリートたちの間にも広まっているほか、
アメリカの雑誌『TIME』でも特集が組まれているほどの普及ぶり。
企業経営という点においてもじわじわと流行ってきてます。
実は、予防医学とも密接なかかわりもあるマインドフルネス、
日本では、うつや自閉症への認知療法、ホスピス緩和ケア、スポーツへの介入、
企業が研修に取り入れることも多くなってきて、その考え方は実に幅広い領域で注目されています。
そこで、今、効果が実証されているマインドフルネスをご紹介しましょう。
マインドフルネスとは、アメリカの研究者が集中力を高めるトレーニングとして、
座禅からヒントを得て考案したもの。
日本語に訳すと「気づくこと」「注意深いこと」「意識すること」という意味になります。
そのまま「マインドフルネス」という呼び方が一般的です。
日本でいうと古くからある、座禅です。というとあやしい・・・と思う人が多い現代人。
実は、マインドフルネスは瞑想法の一種ですが、宗教色は一切払拭され、
「今ここで起きていることをきちんと感じ取る」というシンプルなやり方により、
心を安定させて幸福感を高め、感情のコントロール力を身に付けていく。
またストレス軽減の効果から免疫力の向上も期待されているというもの。
マインドフルネスの実践者の中には、これをパソコンのメンテナンスに例える人も多いようです。
たとえば、複数のアプリを同時に立ち上げるとパソコンの動作が重くなり、場合によってはフリーズします。
それと同じことで、今ここで起きていないこと——過去の出来事や未来の心配に心がとらわれていると、
今このときに対処すべきことに対して十分な脳のリソースが割り振られません。
これこそが「集中力を欠いた状態」の正体であり、マインドフルネスは「今ここで起きていることをきちんと感じ取る」ことで、
本来あるべき脳のパフォーマンスを取り戻していくことが出来るのです。
少し興味がわいてきましたか?
次回、その簡単な方法をお伝えしていきますね。