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Colums コラム

2017年07月10日

【チームで共有するべきは失敗】

「失敗した人から『失敗の回避法』を学ぼう!」というのは、非常に有効な手段だと思います。
成功にはさまざまな要素や偶然が必要ですが、失敗するときというのは、得てして理由が明確です。
ただその渦中にいる場合は、失敗に向かっていることになかなか気付くことができないから、人は失敗するのではないかと思います。
そして、大きく「しくじる」前に小さく「しくじること」が、
結果として大きな事故を未然に防ぐ、という考え方があります。

「ヒヤリ・ハット事例」という言葉をご存知でしょうか。
結果的には大事故に至らなかったものの、直結してもおかしくなかった小さな事故事例のことを指します。
製造や医療の現場でよく使われているようですが、これは「ハインリッヒの法則」としても知られ、労働災害における経験則の1つ。
1つの大事故の裏側には29の小さな事故があり、そのさらに裏側には300の異常がある。
その300の異常を「ヒヤリ・ハット」と呼ぶそうです。
「ヒヤリとした」「ハッとした」事例からきている、とのことなのですが、
こういう状況、誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか。

「ああ、危なかった。失敗したけど、大事になる前に気付けたから良かった。」
という事象は、ともすれば隠蔽されがちです。
自分のミスとしてカウントされてしまうと能力がないと思われる、立場が悪くなる。
そんな思考回路もあるかもしれません。

ただし、自分がミスをした事象は、同じ人間である以上、多くの人も「しくじる」可能性が高い。
どんなに優秀な人だって、うっかりしてとか、体調が悪かったり、喧嘩して気分が落ち込んでいたり、
正常でない瞬間にこの落とし穴に落ちてしまう可能性があるわけで、
あらかじめ落ちそうな小さな穴を共有しておくことが重要です。

そのために、「こういう小さなしくじりをして、こうリカバリをしたのでことなきを得た」という情報共有の蓄積は、チームにとって何よりの財産になるのではないかと思います。

失敗を隠す、失敗が言えない環境があるなら、その方が危険かもしれません。