ビジョンを描く。そして、その実現のために自らの責任において決断を下し、成果に向けて組織を導く。
それがリーダーの役割であり、使命です。
その際、リーダーにとって不可欠なものが「影響力の発揮」です。
リーダーに一定の影響力がなければ、ビジョン実現のためにメンバーを統率することはできません。
私自身、多くのリーダーを見てきて、リーダーに最も必要なものは「影響力」だと確信するようになりました。
では、いったいリーダーの影響力の源泉にはどのようなものがあるのでしょうか。
「リーダーが発揮すべき影響力の源」についてお伝えします
リーダーが発揮すべき影響力の源は、
「専門性」「人間性」「返報性」「一貫性」「厳格性」の5つといわれています。
今回は「専門性」について。
人は、自分が関心ある分野で高い能力や豊富な経験を持つリーダーから影響を受ける傾向があります。そして、その人物の指示を受け入れて自らの思考や行動を変えるものです。
例えば、プロゴルファーにゴルフのスイングを教わる場合を考えてみましょう。たとえ自分が社長だったとしても、クラブの握り方やスイングの仕方まで、プロゴルファーの指示には素直に従うのではないでしょうか。これはプロゴルファーという、その分野の「専門性」に対して信頼を置き、影響を受けているからだといえます。
このように考えると、リーダーがメンバーに対して影響力を発揮したければ、当該業務において「経験が豊富である」「専門知識がある」「適切な判断ができる」など、メンバーに専門性を信頼してもらうことが前提となります。業務に於いての信頼を得ることからの影響力です。
当然と言えば当然です。
しかし最近、どの企業でも「メンバーよりもリーダーの方が常に高い専門性を持っている」ということが難しくなっています。
例えば、自分が異動になって、別の部署のリーダーになった場合は、部署のメンバーの方が自分より専門性が高いということが往々にしてあります。そういう状況では専門性での影響力を発揮しにくくなります。
しかし、リーダーシップの源は専門性だけではありません。ほかの4つの影響力の源泉を発揮するように努めることで、カバーできるのです。
仮にあなたが、専門性が欠けているリーダーだったとしても、あなたが、人間的に魅力のある人物であれば、メンバーはその指示に従う傾向があります。
「専門性」はあったにこしたことはありませんが、時間もかかる場合もあります。専門性がないからリーダーになれない、というわけではありません。
次回は人間性についてお届けします。