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Colums コラム

2015年11月09日

【組織変革2つの要素】

組織変革にあたり、リーダーが注意しなければならない重要なポイントがあります。
それは、「組織変革には臨界点が存在する」ということです。
どれほど組織に変革の兆候が見え始めたとしても、「臨界点を超えるところ」まで継続しなければ、慣性が働いて組織は元の状態に戻ってしまうのです。

少し詳しく、ある会社を例にとって説明をすると、「事務所の雰囲気が暗い、どうも活気がない。お客様も出入りすることになるのに、これでは、駄目だと思う」と社長から相談がありました。「営業が帰ってきても、正面のドアから誰か入ってきても、誰も声をかけない」というのです。
私は伺いました。
「あなたは、声をかけているのですか?」と。
そうすると、声をかける空気ではないので・・・。状況は聞いたりはしているが・・・
と言った返事でした。
社員の皆さんにも伺ってみました。
そうすると、「声を出しにくい空気だから」「みんなしていないので」という答えが返ってきました。
でも、全員、活気のある職場にしたいとは答えるのです。
職場を変えるには、リーダーが先に立って引き金を引くことが必ず必要です。

大事なことは2つ。

1.リーダーが自ら率先してやる。
2.最低1カ月は続ける

お伝えしました。
「言いにくい空気、だれもやらない中でも、あなたがやるのです。」と
「おつかれさまー」「いってらっしゃい」「おはようございます」

人の出入りに対して声を出す。
初日はいつものようにシーンとしていたそうです。
2日目には2名ほど後から続いたそうです。
1週間した頃には、3分の1くらいの人が声を出すようになったようです。
そして、2週間目に入ったころには、ほぼ全員が、やり始めたそうです。
わずか1週間ちょっとで、「誰も声をかけない、挨拶すらしない暗い職場」が、「全員が声を掛け合う、活性化された職場」に劇的に変化したことになります。

 その理由は、次の「2つの要素」を満たしていたこと。

1.リーダー自身が変革の引き金を引くと決めた
組織を変革への臨界点まで持っていくためには、変革の引き金を引く存在が必要です。 
「組織の中の少数派でありながら、周囲から攻撃や圧力を受けても屈しない強さを持つ人」という意味です。
それがリーダー自身であれば、その影響力という観点から考えても理想的です。

2.臨界点を超えるまで変革行動を継続すること
組織を本当に変革しようと思うのであれば、「臨界点を超えるまであきらめずに継続すること」が不可欠です。
臨界点を超えるまでは、思うように変革が進まず孤独感を抱えたり、くじけそうになることがあるかもしれません。しかし、そこであきらめずに続けられるかどうかが、変革の成否を握ります。組織にありがちな失敗パターンとしては、「リーダーが変革行動を起こしたにも関わらず、臨界点を超える前にうやむやにする」「リーダーの関心が別のことに移ってしまって、以前に言っていたことをすぐに変えてしまう」ことが挙げられます。
これではメンバーを振り回すだけで、中途半端な結果に終わってしまいます。

このように、リーダーの「組織を変えたい」という熱い想いは、「リーダーが引き金を引くこと」「臨界点を超えるまで継続すること」によって、必ずメンバーに波及していきます。
リーダーがその想いを実現するためには、やらせるのではなく、リーダー自身がやるという覚悟を持つことが何よりも重要です。