前回お伝えした、アドラー心理学の「課題の分離」は微妙なのか?
というとそういう訳ではありません。
今回は、もう少し深く「課題の分離」を見てみましょう。
部下が国家試験の勉強をしないことでイライラしている上司のAさん。
もう一度、Aさんの状況を「課題の分離」で考えてみましょう。
「勉強をする」⇒部下の課題
「イライラする」⇒Aさんの課題でしたね。
では、これは誰の課題でしょうか?
「部下が勉強し、国家試験に合格するように促す」
そう、これAさんの課題です。
勉強をするかどうかは、部下の課題です。
Aさんにはどうしようもありません。
でも、「勉強をするように促す」のは、Aさんが自分で色々と工夫できることですよね。
Aさんが自分で取り組める、自分の課題なのです。
まとめると…
Aさんがどうにか出来ることは、
「勉強を促す」ことと「自分のイライラへの対処」です。
促したあとに、
実際勉強するかしないかは部下の課題で、Aさんにはどうしようもない事です。
このように課題を1つずつ取り上げて
「課題の分離」をしてみると、自分のできる事が明確に分かるようになります。
自分のできる事がわかると、それに向けて気持ちを整えやすくなります。
課題にあった気持ちを整える
「勉強をすること、昇格することは、部下の課題。
それは私にはどうしようもないこと。 私は私にできることをやろう。
結果がどうであれ、部下が勉強に取り組めるように色々と工夫すれば良いし、
それで責任は果たしているんだ。」
こう思うことで、Aさんは自分の育成担当の上司としての責任感を
納得させる事が出来ましたし、何よりも、これからやるべき事の指針を得ることが出来ました。
このように「課題の分離」は人間関係をシンプルにとらえて、
自分のやるべきことできる事がわかりやすくなる考え方なのです。
「課題の分離」は上司部下関係だけではなくて、
親子・夫婦関係、友人関係…などなど、
あらゆる人間関係に使うことが出来ます。
ぜひぜひお試しください。