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Colums コラム

2017年01月16日

【リーダーシップの延長線上にチームワーク2】

前回、「全員が創造性を自由に発揮し、全員が偉大な指揮権を持つ新しいオーケストラを作りたい」という崇高な目的を持って創られたオルフェウス室内管弦楽団(オルフェウス・チェンバー・オーケストラ)のお話をさせていただきました。
このオーケストラの最大の特長は、指揮者がいないというということ。

今回は、このような状態を維持するために満たしている、いくつかの前提条件について。

まず、徹底したコミュニケーションとコンセンサス。
そして、周りからリーダーとして認められるだけの能力を全員が有し、互いに認知し合っている必要もあります。
実際、演奏者一人ひとりが有名な音楽大学の教授が務まるレベルといわれている彼らが喧々囂々と議論し、非常に長い練習時間を経て、この楽団のクオリティは成り立っています。

確かに、オルフェウスは特殊です。
そもそもリーダーを一人に決めない組織は皆無に近い。
多くの組織はまずリーダーが存在し、その人物を中心に組織が形成され、その後も運営されます。
実際、オルフェウス・オーケストラも最初のうちは創立時のリーダーのジュリアン・ファイファーが全権を把握し、強力なリーダーシップを発揮していたといいます。

組織の立ち上げ期はそれで構わないのでは、いや、そうでなくては立ち上がらないですね。
問題は組織の成長に伴って、リーダーシップスタイルをどう変えていくかです。

リーダーだからと言って、いつまでも強圧的に自分の意志で組織をまとめ上げていくのではなく、ある程度組織が成熟した後は、メンバーたちが自覚を持って組織運営の主役となるようなマネジメントスタイルに変えていくことが必要です。
そのような段階におけるリーダーの役割は、コーディネーター役、ないしはファシリテーター役といったものになります。
メンバーを主役として、自らは黒子に徹するリーダーシップ。
これをサーバントリーダーシップと呼ばれています。

全員がリーダーとしての自覚を持つコネクテッド・リーダーシップ型組織は、創造性を発揮することを求められるような場合に最も適合します。
改革や変革を必要とする場合、多くの場合リーダーの視野の範囲に留まってしまいがち。
リーダーの認知を超えた“ぶっとんだ”テーマは滅多に選択されません。
どうしても、チャレンジする領域が狭められてしまう傾向があります。

ところが、リーダーが時に応じて交代する組織の場合、それぞれの視点にはずれがあるので、全体としての視野が広くなる。
最小公倍数的にチャレンジ領域が広がっていく。視野が広がることによって、リスクもいち早く察知できるし、チャンスも逃さずに済むというもの。
チームが成熟したらリーダーは黒子に徹する
これが重要となってきます。