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Colums コラム

2022年10月01日

ビジネスに効果的なストーリーテリングの手法

ビジネスにおけるコミュニケーション手法は多数ありますが、なかでも効果の高い手法として「ストーリーテリング」が取り上げられます。
最近、このテーマでの研修依頼も増えてきました。
ストーリーテリングの手法は企業や商品のブランディング、営業、マーケティングなどに対してよく利用されますが、「社内コミュニケーション」においてもその高い効果が実証されています。
今月から、ストーリーテリングの一般的な手法から、社内コミュニケーションにおけるストーリーテリングの必要性と考え方、具体的な活用方法についてご紹介していきます。
 
今回は、ストーリーテリングとは、何か?
からお伝えしていきます。

ストーリーテリングとは、
語り手が伝えたい内容を補強するための例として、ストーリーを語ることで相手により深く印象付けて理解を促す手法です。
なぜストーリーには説得力があるのかというと、
ストーリーは人を引き込み「ナラティブ・トランスポーテーション(物語への移入)」をもたらすからです。

実は、ストーリーに移入するとき、説得の作用が生じることはすでに実証されています。
ブランド戦略の大家、デービッド・アーカー氏によれば2000~2013年に発表された76の論文内に132の実験を検証した研究があり、ストーリーへの移入度合いが深まるほど、連想・信念・愛着・態度・行動・意図に関して優位なプラスのインパクトが生じ、批判的な思考が弱まるといいます。
そしてストーリーに真実味があるほど、そのインパクトも強いことが分かっています。
 
ストーリーテリングを語る上で欠かせないのが、神話学者であるジョゼフ・キャンベル氏です。
彼は、ストーリーテリングが効果的なコミュニケーション手法としてみなされるきっかけを作った人物でもあります。
神話におけるストーリーには、共通パターン「ヒーローズジャーニー(神話の法則)」があることを発見し、ストーリーテリングという概念や重要性が問われるようになりました。
このヒーローズジャーニーは、現代においてスターウォーズをはじめとする多くの作品で用いられています。
詳しくは、またご紹介します。
  
ビジネスの世界では、プレゼンテーションや提案時など、語り手がより深く聞き手に内容を伝える必要がある重要なシーンで、度々ストーリーテリングが用いられています。
ロジカルに伝えるだけでなく、感情面に訴えかけることでプレゼンテーションや提案の成功につなげやすくなるということから、ストーリーテリング活用の有効性が高まっているのです。
  
それだけにとどまらず、社内コミュニケーションにおいても活用されるシーンが増えてきています。
例えば、ブランドビジョン・組織の価値観に関するメッセージを経営陣が従業員に伝え、浸透させるという時に使われるケースは多いですが、その他にも身近には、
・社内で仕事を依頼するときに依頼者がその仕事の重要性を語り、優先的に対応するよう求めるシーン
・プロジェクト成功のために、リーダーからメンバーへプロジェクトの背景や重要性を語るシーン
などでも活用されています。
 
このようにストーリーを交えて語る癖を身につけることで、メンバーのモチベーションを高めたり、プロジェクトに対するコミットメントが得られたりできます。
そのため、結果的にプロジェクトの成功につながりやすくなるのです。
 
では、ストーリーテリングの効果は具体的にどのようなもので、どのようなときに有用なのでしょうか?
こちらは、次回ご紹介します。